専業主婦と本気で向き合ってみた

家事下手・育児下手のポンコツ主婦だけど、夫子供を支える力だけは誰にも負けないつもり!

【父親学級】妻が別の階に行ってしまうだけだと伝えたい

どうもこんにちは。共働き当たり前時代の令和において、なんとしても専業主婦で居続けたいと願っている40代2児の母、キャロラインです。

 

先日、こんな記事を書きました。

 

 

femmeaufoyer.hatenablog.com

 

ざっくり紹介しますと、産前の母親学級はとてもありがたかったんだけれど、それよりも産後の勉強会を市役所や区役所などで定期的に開いてくれたらいいのにな。

という、2児育児中の母の嘆きとぼやきの記事です。

 

こどもセンターなどであるような、こどもと一緒に参加する手遊びやお歌、リトミック、ダンスなど子供主体のものはとてもとても有難いのですが、私は定期的に勉強会に参加したいタイプでした。

 

今自分がやっていることが正しいのか?

成長するに従って、次にどんなことが起こるようになるのか?

お悩みで多いものって何なのか?

 

育児が始まりだすと、

「子供や家庭はそれぞれだから、自分が欲しい情報を自分が得たいタイミングで自分で探して受け取りに行きましょう」

と、驚くほど自分に全てが託されました。

 

私が第一子を産んで感じたことは

「広野に放り出された」

でした。

 

赤ちゃんを育てるのなんて初めてだし。

何なら赤ちゃんが育っていく過程を見るのなんて初めてだし。

赤ちゃんを育てている人を隣で毎日見たことなんてないし。

私が赤ちゃんの頃、お母さんがどうやってお母さんをしていたかなんて全く分からないし。

 

年の離れた小さな弟・妹がいた方や、数家族同居していて誰か育児をしていた人と一緒に住んでいた、などではない限り、「人間を育てていく」という行為を客観的に見たことがある人というのは、なかなかいないんじゃないかと思います。

 

保育士さんなどの記事やつぶやきなんかでもよく見られるのは、

「保育と育児は全くの別物」

とよくおっしゃっていますよね。

長年保育のお仕事に携わっていたプロの方でさえ、ご自身のお子様の育児となると、大なり小なり素人の私たちと同じように苦労されています。

 

毎日・毎時間・毎分・毎秒・・・ 休みなく続いていくというところが育児の難しいところ。

「育児が大変だなんて知っていた。だけど、こんなに大変だとは思わなかった!」

育児経験者なら、誰でもこの言葉には共感できるのではないかしら。

 

断片的に見て知っている育児

というのは、

ずっとやっている育児

とは同じ土俵で戦えないと思います。

 

話は戻りますが、↑上に貼った前回書いた記事でも少し触れたのですが、父親学級もだいたい産前に1回かそこらですよね。

 

そこでは、妊婦の奥さんの気持ちを理解するよう促したり赤ちゃんのお人形を使って抱っこしてみたり。

 

父親学級にしろ、母親学級にしろ、もっともっと時間を使って大事なことを教えてほしいと思います。

 

それは、

 

出産で、夫と妻の精神は別の場所へと引き離されるということ

です。

 

ここから例え話をします。

少し長い例え話なので、分かりにくかったらごめんなさいまし。

 

主に、夫目線で書きます。

 

①スタート地点

別々のところで暮らしていたあなたと妻は結婚をして、とある建物の1階に立ちました。

ここから人生のステージが変わっていく、まさにそのスタート地点に立ったのです。

目の前には階段があります。

その階段を上に見上げると2階、そしてさらに階段が伸びて3階、、、どんどん上に伸びている階段の頂上は全く見えません。

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二人で家を借りたり買ったり。

引っ越しをしたり、家具を買ったり。

結婚式がまだなら下見をしたり、二人で色々と決めて行く。

 

二人はだいたい同じペースで手を取り合いながら

一段、また一段と階段を上り、フロアを上に進めていきます。

 

②妊娠で少しだけずれるペース

そんなある日、妻が妊娠しました。

 

喜び合う二人でしたが、歩みに少しだけズレが生じ始めました。

妻の方が少しずつ少しずつ階段を早く上り始めたのです。

 

夫は今までのペースを崩せず、なかなか上がって来ません。

ですが妻は、手を差し伸べたり「こっちだよ」と呼んだりしながら、少しのズレはあるものの歩みをなるべく合わせようとお互いに試みています。

 

夫が数段下にいて、妻が数段上にいる状況。

どちらが偉いわけでもありませんが、少しだけ見えてくるものは違います。

 

妻に見える景色が、夫には見えないという状況も出てきます。

反対に、妻にはもう見えていない景色の話を夫がずっとしていたりします。

 

「ベビー服どこで買おうか?ベビーカーってあれとこれだったらどれがいいと思う?私はやっぱり少し重くてもこのブランドがいいな。出来れば完全母乳で育てたいなぁ。抱っこ紐ってやっぱりエルゴだよね!出産の時にはリラックスした音楽をかけてアロマの香りの中で産みたいなぁ」とあれこれ育児に関する新しい情報を取得しては、ぼんやり聞いているんだか聞いていないんだかの夫に嬉しそうに話す妻。

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それに対し

「今度巨人戦観に行って来ようかな。今度飲み会があるから帰り遅くなるわ。俺前から欲しかった趣味の自転車買いたいんだよなぁ。」と、出産のことなどまだまだ自分ごととして考えられず、今までのペースで生きている夫。

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大きなズレではないけれど、少しだけ嚙み合わないことが増えました。

 

③出産 妻だけエスカレーターで上昇

だいたい二人が4階あたりに来たころでしょうか。

妻がいよいよ出産をする瞬間がやってきました。

 

すると、それまで同じ階段を上っていたはずなのに、

妻の足元だけ突然エスカレーターに変わりました。

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そして、急速に妻だけが上へ上へと上がっていってしまいます。ものの数時間で数フロア上へと上がってしまいました。

 

妻としても状況はよく分かっていません。

自分がエスカレーターに乗っていることも分からずにいます。

 

仕方がないのであなたは、今まで通り少しずつ階段をのぼることにしました。

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早く妻のいるフロアまで行こう。

これから始まる育児、二人で力を合わせなければ。そう考えるけれど、階段を一度にたくさん上るのはなかなかキツイ。

 

一方で妻は、産まれたばかりの子供を抱えて辺りを見渡した時に、今までとガラリと変わった景色に驚きます。

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なんて美しい。

そしてなんて広い。

だけどとっても不安。

お願い!夫よ。早くここへ来て!

美しいし、愛おしいし、最高の景色なんだけど、とてもこわいの。

 

二人はなんとか呼び合い、声だけでやり取りをしていたのですが、これで終わりではありません。

 

④育児本番 二人の精神は全く遠い場所へ

育児本番が始まると、なんと今度は

妻の目の前にエレベーターが現れ、乗せられてしまったのです。

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そして妻は一気に高層階へと連れて行かれてしまいました。

 

あなたは戸惑います。

何日か前までは、ほぼほぼ同じ歩みで過ごしていた妻が一気に数十階上に消えてしまった。

もうこうなると、何か叫んでいるのかもしれないけれど、あまりよく聞こえない。 

 

が、あなたはこう思います。

すぐに降りて来てくれるだろう。

自分の出来ることをやろう、と1歩ずつ今までのペースで階段を上りはじめました。

 

徐々に妻は思います。

育児が大変。

眠れない。

分からない。

不安。

つらい。つらい。つらい。

助けて!助けて!ねえあなた!助けて!!

付き合っていた頃はあんなに助けてくれたじゃない!守ってくれたじゃない!!

なんで来てくれないの??

どこにいるかなんて分かるでしょう?

知ってるでしょう?

上よ!上!!

なんで来ないのよ!!

なんで今までのペースを崩さないのよ!

 

「全速力で走ってここまで来てよ!!」

 

遠く上の方で、妻の声がかすかに聞こえます。 怒っているようです。

 

自分だって毎日毎日仕事をしながら、ストレス抱えながら一歩ずつ階段を上っているのに、何故妻はあんなに怒っているのだろう。

何故自分はこんなにも怒られているんだろう。

 

早く降りて来いよー。

付き合ってた頃はあんなに優しかったじゃん。

何ずっと怒ってるんだよ。

こっちが仕事が忙しいって分かってるくせに。

走って上れ?全速力?

あれやれ。これやれ。だ?

上から目線で偉そうに。

二人は全く違うフロアで全く違う景色を見て、お互いの気持ちが離れてしまいました。

 

これは、出産を境に誰にでも起こる、精神距離の変化のお話です。

 

出産と育児って、こういうことではないのでしょうか。

 

目の前にいる夫と妻は、これぐらい物の見え方に違いがあるのではないでしょうか。

精神的なフロアはこれぐらい離れてしまうのではないでしょうか。

 

 

これは、夫だけではなく、妻も産前産後に自覚しておくべき内容ではないかと思います。

 

妻は「全速力で上がって来い!私と同じように!」

と思いたくなるけれども、実は自分がエスカレーターとエレベーターに乗っていたということを認識する必要があると思います。

 

そして夫は、「妻が変わった」のではなく、妻のフロアが変わったということを念頭に置いた上で、少しずつでも「早くそこに行きたいんだ!」と声をかけてあげるといいのではないかと思います。

 

夫にはおっぱいがない。仕事が忙しい。妻ほど育児に関われない。だから育児がよく分からない。

だから、仕方ないか。

もう上らなくていいよね☆

ではなく。

 

すぐに同じフロアに行ってあげられなくても出来ることがあります。

 

それは一生懸命、声だけでもやり取りをすることです。

 

「大丈夫だよ!よくやってるよ!」

「今そっちに向かって一生懸命上っているよ!」

「君に寄り添いたいんだよ!」

「いつもありがとう」

 

一歩ずつ上りながら、妻の心に少しでも近づきたいんだよ。

というメッセージを投げてもらえたら、どれほど心強いかわかりません。

 

妻の方も

でーーーーーーーんと待ち構えて、

「はよ来いや」

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では、相手はやる気をなくします。

 

妻は妻で、自分が通り過ぎて来たフロアを思い出し、今夫はこのあたりにいるのかな?と想像を巡らせながら

「そのフロアならこうしてみて!」

「大丈夫だよ!私もそうだったから。」

「その家事大変だよね、私も同じだった!それやってくれてるととっても助かる〜」

 

と、自分が通り過ぎてきたフロアを今まさに一生懸命上がって来てくれている夫に対して、その気持ちに寄り添うことも重要なのではないでしょうか。

 

「何でそんなこと出来ないの??」

「何でもっと早く私のレベルにならないの?」

と、突き放すと、結局なかなか上がっては来てくれません。

 

自分がエスカレーターとエレベーターに乗せられてあっと言う間にフロアが上がってしまったんだということをしっかり認識する。

 

歩みが全く違うんだ、ということをお互い認識して、とにかく声をかけ続ける。

大きな声で。

聞こえるように。

伝わるように。

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という感じのことを(って、どんな感じやねんな!)出産前後で夫婦で勉強するべきではないかなー、と思います。

 

出産で夫と妻の精神は別の場所へと引き離されます。

 

と先に書きましたが、でも私は希望も含めてこう思います。

 

お互いに声を掛け合って、心だけでも寄り添いたいんだよ!というメッセージを伝え合えば、必ずもう一度どこか同じフロアで出会えます。

 

だから、夫は大変だけど妻に寄り添い、妻のもとへと歩みを進めてほしい。

そして妻も、夫には即戦力になってほしいけれど、早く来ては欲しいけれど歩みを進めてくれていることに感謝しなくちゃいけない。

 

妻は変わらない。

フロアが急激に変わるだけ。

 

私達夫婦もまだまだ同じフロアで出会えるところまで行けてはいないかもだけど、再会目指して頑張ってます!!

 

きっとそこで出会えたら、絆も深くなると信じています。

 

では、また。